「入所待機問題」を知る

ひとと話して、初めて認識した極めて深刻な問題
塩入友広 2026.01.15
誰でも

工作機械メーカーで技術屋さんをやっていたときは、自身の経験をもとに積み上げてきた知見から、装置や機器の仕様に対して適用可能な解決策を検討し、実装する仕事をしていました。それが「経験バイアス」と言われようが、実体験に勝る知見はないと信じ、根拠のある自信として、解決策を半ば強引に提案することもありました。

しかし、これから携わろうとしている分野においては、圧倒的に知見が不足していることを今日も実感しました。生成AIのおかげで、不足した知識を付け焼き刃的に補うことは可能となっていますが、人との会話の中でそれが露呈してしまう場合は、素直に勉強不足を告白し、課題として持ち帰らせていただくことにしています。

特別養護老人ホームの入所待機問題

今日、お話しをさせていただいたある方のご主人は、認知症を患い現在は施設へ入所されているとのことでした。なんでも「空きが無い」とのことで、隣の市にある施設への入所を余儀なくされており、顔を見に行くことも難しいとのことでした。「近くの施設へ入ることができたらいいのに」というその方の切実な声を聞き、問題の深刻さを初めて認識しました。

入所を待っている人の数は、10人や20人ではありません。ひとつの施設あたり、100人から200人もの方が待機しているようです。この中には、複数の施設へ重複して申し込みをしている方や、将来のために予約的に登録している方も含まれるとのことですが、それにしても需要と供給のバランスが合っていないように感じました。

人材不足への対応はどうすれば?

現在の状況を生成AIにたずねると、次のような回答が返ってきました。

  • 賃金を上げたいが、国民の保険料負担が増えるので上げられない。

  • 外国人を呼びたいが、円安などで選ばれなくなっている。

  • 人手が足りないので、今いる職員の負担が増してさらに辞めていく。

この「三すくみ」とも言える八方塞がりの状況を打破する特効薬はなさそうです。しかし、だからといって手をこまねいているわけにはいきません。私たちに何かできることがあればやってみたいです。

地域包括ケアシステムの構築

施設が満杯なら、住み慣れた自宅や地域で、医療・介護・生活支援を一体的に受けられる仕組みを強化するしかありません。これは行政任せにせず、近隣の見守りやゴミ出し支援といった、地縁団体での互助が必要不可欠です。もちろん、住民の善意だけに頼るのではなく、そこに行政のしっかりとしたバックアップがあって初めて機能するものだと考えます。この分野に携わる知人もいるので、いちど話を聞いてみます。

フレイル(虚弱)予防

そもそも介護を必要としない、あるいは必要となる時期を少しでも遅らせるための「健康な体づくり」ができれば、元気な高齢者がそのまま地域の担い手となり、支える側へと回ることができます。 実際に、こうした活動に積極的な先輩がおり、改めてその方の功績を認識するところです。

では、私に何ができるか

工作機械メーカーのエンジニアとして、私は「現場の実体験」を何より大切にしてきました。これから挑戦しようとしている新しい分野においても、机上の空論ではなく、実際に地域の体操教室に参加したり、自治会が行う独居世帯の見守り活動に関わることで、現場の「生きたデータ」を肌で感じたいと考えています。

ここ西塩田の手塚に展開されている支え合いの仕組みと、健康づくりの活動は、私にとってまさに「生きた教材」です。

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